SMILEA CCESS矯正歯科 歯科衛生士のAです!
今回のテーマは、「矯正治療が長引く原因」について。
矯正治療は、矯正歯科医の専門的な技術と、患者さまご自身の協力が合わさって初めて計画通りに進む“二人三脚”の治療です。そのため、治療計画の質だけでなく、治療期間中の日々の習慣やケアの積み重ねが治療のスピードや仕上がりに大きく影響します。
そこで本記事では、治療が予定より遅れてしまう原因に焦点を当てながら、今日から取り入れられる具体的な対策をご紹介します。ご自身の生活習慣やケアの仕方を見直すきっかけとして、参考にしていただければ幸いです。
矯正治療が長引く原因
矯正装置の装着不足

マウスピース型矯正を選択された患者さまは、いかに装着時間を守れるかが治療成功を左右するといっても過言ではありません。
食事や歯磨きのためにアライナー(マウスピース)を外す時間はわずかではありますが、「少しぐらいなら大丈夫」と油断してしまうと、その積み重ねで1日の装着時間が大きく不足してしまうことがあります。装着時間が足りない状態が続くと矯正力が十分にかからず、歯が元の位置に戻ろうとする力が働いてしまうため、アライナーがきちんとはまらなくなり、結果として治療期間が延びてしまう原因につながってしまうのです。
また、ワイヤー矯正やマウスピース型矯正で噛み合わせを整えるために使用する「顎間ゴム」も、指示された時間どおりに使わなければ十分な効果を発揮しません。装着を怠ってしまうと、見た目の歯並びは整っても噛み合わせの改善が進まずに治療の終了が遅れてしまうことがあります。
装置の破損や不具合
ご自身で感じている、矯正装置の不具合を放置していませんか?装置の不具合は、矯正治療の進行を妨げる原因になる可能性があります。
ワイヤー矯正の場合
硬いものを噛んだ衝撃でブラケットが外れる、ワイヤーが曲がるなどの状態が続くと、歯に加わる力が不均一になって歯の動きが停滞したり、計画とは異なる方向へ動いてしまうことがあります。

マウスピース型矯正の場合
不適切な着脱や、熱い飲み物・食べ物によって装置が変形・破損してしまうと、アライナーから歯へ正確な力が伝わらなくなります。変形したアライナーを無理に使い続けると歯が十分に動かないだけでなく、かえって歯並びが乱れてしまう可能性もあるため、異変を感じた場合は必ず医院へご相談ください。
また、お子さまが使用する取り外し式の装置(拡大床やプレオルソなど)も同様で、痛みや不具合がある際には我慢せず、早めにお知らせいただくことをおすすめします。

セルフケアが不十分

セルフケアが不十分な状態が続くと、歯の健康だけでなく治療の進み具合にも悪影響を及ぼします。
矯正装置の周りは歯ブラシが届きにくく、プラーク(歯垢)が溜まりやすい場所です。プラークによって歯ぐきに炎症が起こると、歯が動きにくい環境になってしまい、場合によっては歯周病が進行して矯正治療を一時的に中断せざるを得ないことがあります。
さらに、プラークが蓄積したままになると虫歯のリスクも高くなります。虫歯ができてしまった場合、症状によっては虫歯治療を優先する必要があり、その間は歯周病と同様に矯正治療を中断しなければならないケースも。
このように、セルフケアの不足によって虫歯や歯周病に罹患しすることで治療期間が長引いてしまうことは決して珍しくありません。
不適切な食習慣
食べたいものを我慢するのはとてもつらいものですが、特にワイヤー矯正の場合は治療をスムーズに進めるために食習慣の見直しは欠かせないポイントです。例えば、硬いおせんべいやナッツ、粘着性のあるキャラメルやお餅などは、ワイヤーやブラケットに大きな負担をかけてしまいます。
こうした食品が原因で度々装置が外れたり壊れたりすると、歯にしっかり力がかからない時間が積み重なり、結果として治療期間が予定より長くなる可能性も。
マウスピース型矯正においても、食習慣の注意が必要です。特に、アライナーと歯の隙間に糖分が入り込んだままになると、密着時間が長いぶん虫歯のリスクが高まります。そのため、水以外の飲食をする際は必ずアライナーを外し、再装着前にはブラッシングなどでお口の中を清潔にしておくことが大切です。
処置・定期チェックの遅れ

ワイヤーの交換、アライナー追加作成のためのスキャン、歯と歯の隙間を削る処置(IPR)など、治療において必要な処置のタイミングが遅れると、その分次のステップに進むことができず治療の進行が遅れるケースがあります。
また、矯正治療においての通院は、装置を調整するだけが目的ではありません。ドクターが口の中の状態を直接確認し、歯が計画通りに動いているか、問題が生じていないかを丁寧にチェックします。そのうえで、必要に応じて顎間ゴムを一時的に休止したり、次のアライナーへ進むタイミングを指示したりと、治療の進行に欠かせない判断を行います。
そのため、通院が遅れてしまうと経過チェックのタイミングもずれ、結果として治療計画に誤差が生じ、治療期間が長引いてしまう可能性があるのです。

SMILE ACCESSでは「歯ならびみまもりアプリ」を活用し、オンラインで精密かつ頻繁に経過観察を行うことで、通院の負担を最小限に抑えています。アプリを通じて送られる画像や動画は、治療の進行状況を確認するために欠かせない情報源です。
この撮影や送信が滞ってしまうと、チェックが遅れ、結果として治療の進みが滞る原因になることがありますので、忘れずにご対応いただきますようお願いします。
矯正治療を長引かせないための3つのポイント
1.自己管理の習慣化と徹底

例えばマウスピース型矯正の場合、スマホのリマインダー機能を活用して食事後の決まった時間に通知が来るように設定したり、外している時間を記録するアプリを導入したりすることでも、自己管理がしやすくなります。
さらに、アライナーや顎間ゴムは外したらすぐに専用ケースに入れる習慣をつけ、紛失リスクを防ぐことも重要です。アライナーを入れるケースは現在様々なデザインが販売されているため、お気に入りのケースを見つけて使用するのもおすすめですよ。
毎日のセルフケアでは、矯正専用の歯ブラシやワンタフトブラシ、歯間ブラシ、デンタルフロスなどを積極的に使いましょう。また、食事面においては食べたいものを完全に我慢するのではなく、小さく切ったり柔らかく煮込んだりするなど、調理法や食べ方を工夫して可能な限り食事を楽しんでくださいね。
2.トラブルの早期発見と迅速な相談

治療中にご使用いただく歯ならびみまもりアプリでは、口内撮影後に装置の不具合を検知することが可能ですが、撮影〜次の撮影の間にトラブルが起きた場合には、次の撮影データが届くまではこちらから不具合の検知や適切な指示をお伝えすることができません。
痛みがある、装置が取れた、マウスピースが合わないなど、患者さまご自身が何か異変を感じたら自己判断せず、アプリ内のチャットよりご連絡ください。
朝晩の歯磨き時などに、装置に異常がないか、外れていないか、破損していないかなどを確認する習慣をつけておくと、よりスムーズにトラブルを発見・対処することが可能です。
3.アポイントメントの遵守
治療中のワイヤー調整、アタッチメント追加、IPRなどの処置は治療計画に基づいて予約間隔が設定されています。これらが遅れることで治療の進行が滞ることがありますので、特別な事情がない限りは先延ばしにせず、スケジュールを管理して来院日を守りましょう。
治療中はアプリを通じて治療中の口内チェックを必ず受け、治療に関して何か追加の指示があった場合には、指示内容をしっかりと守るようにしましょう。
ゴールへの近道は毎日の積み重ね

歯科矯正は、担当ドクターや治療に携わる私たちスタッフはもちろん、患者さまのご協力が不可欠な治療になります。本記事でお伝えした「自己管理の徹底」「毎日のチェックと迅速な相談」「医院での来院タイミングを守る」という3つのポイントは、矯正治療をスムーズに進めるための大切な習慣です。
このような毎日の積み重ねと少しの心がけが、結果として矯正治療期間を短縮し、より美しい歯並びへとつながります。
治療中は、「昨日は飲み会で装着時間が少なかったかも…」「装置に少しヒビがあるけれど、このまま使って大丈夫?」など、ちょっとした不安や疑問が出てくることもあると思います。そんなときはどうか一人で悩まず、アプリ内のチャットから気軽にご相談ください。
あなたの治療を見守る矯正専門スタッフがチームでサポートし、治療をより確実に進めるためのお手伝いをいたします。
※本記事は一般的な情報提供を目的としており、特定の治療内容や効果を保証するものではありません。具体的な治療に関するご相談は、必ず専門の医療機関を受診し、担当の歯科医師にご確認ください。
監修
SMILE ACCESS 矯正歯科 渋谷/吉祥寺 院長 吉住 淳先生 (日本矯正歯科学会認定医・invisalign社公式スピーカー)