こんにちは、SMILE ACCESS矯正歯科 歯科衛生士のMです。
マウスピース型矯正では、複数枚のアライナー(マウスピース)を段階的に交換しながら、少しずつ歯を動かしていきます。使用する枚数は、歯並びの状態や治療計画によって異なり、一つのステップが数枚で終わる場合もあれば、数十枚に及ぶことも。
アライナーの枚数が多い場合は、最初にすべてをまとめてお渡しするのではなく、治療の進行に合わせて途中で追加分をお渡しすることも少なくありません。
本記事では、新しいアライナーを受け取った際のポイントや注意点について分かりやすくご紹介します。治療を安心して続けていただくための参考になれば幸いです。
新しいアライナーが届いたらまず確認すること
新しいアライナーが届いたら、まずは以下の3つを確認しましょう。
1.パッケージに記載された「番号」の確認
アライナーの袋には、必ず番号(ステージ番号)が記載されています。アライナーが届いた、もしくは受け取った際には、ご自身が使用しているアライナーの「次の番号」であることを、装着前に必ず確認してください。例えば、現在「#20」のマウスピースを使用している場合は、新しく届いたものが「#21」以降であることを確かめ、そこから交換を進めていきます。
万が一、途中の番号が飛んでいたり該当のアライナーが見当たらなかったりした場合には、ご使用中の歯ならびみまもりアプリ(Dental monitoring)からご連絡ください。
2.刻印の確認
アライナー本体にも、識別番号が小さく刻印されています。パッケージの番号と一致しているか、念のため確認しておくと安心です。

3.マウスピースの破損・変形の有無
ごく稀に、製造の過程等によってアライナーの変形がみられるケースがあります。装着前はアライナーにヒビや割れ、大きな歪みがないかを目視で確認しましょう。小さな傷であれば問題ありませんが、明らかに装着へ影響しそうな不備を見つけた場合は自己判断で装着せず、歯ならびみまもりアプリ(Dental monitoring)からお写真などと併せてご連絡ください。

装着前の「お口の準備」

丁寧な歯磨きとフロスの徹底
矯正中に注意すべきことの一つが、虫歯です。アライナーは1日の大半(20〜22時間以上)歯と密着しているため、歯とアライナーの間にプラークが停滞し続けると細菌が繁殖しやすい環境になってしまいます。
毎日の歯磨きでは、歯の表面だけでなく歯と歯ぐきの境目、歯の裏側まで丁寧に磨きましょう。特に、アタッチメントやゴム掛け用ボタンの周り、歯が重なっている部分は汚れが溜まりやすいため、意識して磨くようにしてください。
通常の歯ブラシだけでなく、フロスや歯間ブラシ、タフトブラシなどの補助道具を併用し、プラーク(歯垢)を徹底的に除去しましょう。
正しい方法で装着
アライナーは安全かつ正確に歯を動かすため、矯正歯科医が患者さまごとに最適な治療計画を設計し、これを基に製造しています。しかし、不適切な方法で装着するとアライナーが正しくフィットしない、破損することで計画通りに歯が動かないなどのトラブルに繋がることがあります。
新しいマウスピースはフィット感が強く、特にきついことが多いため、以下のステップを守り確実かつ適切に装着しましょう。
まず、アライナーを前歯に合わせ、指でゆっくりと押し込みます。この時、無理な力を加えないように注意してください。
前歯がはまったら、左右の奥歯に向かって指で均等に力を加えながら「カチッ」と音がするまではめ込んでいきます。
アライナーを正しく装着できたら、最後の仕上げに「アライナーチューイー」を使います。
アライナーと歯の間にわずかな隙間(浮き)があると、矯正力が歯に正しく伝わりません。チューイーはこの「浮き」を低減し、矯正力を最大限に引き出すことで矯正治療をより効果的に進めます。
チューイーの使い方
- チューイーを指で持ち、前歯から奥歯まで全ての歯でまんべんなく噛み込みます。
- 浮きがあると感じる部分、特に噛むように指示された部分は、重点的に噛み込んでください。
- 新しいアライナーに交換した最初の2〜3日は、1回あたり5分〜10分程度、1日数回(装着時や気づいた時)噛むことを意識すると、フィットしやすくなります。
アライナーを装着する際に、歯で直接噛みしめてはめ込むのは絶対にやめてください。
アライナーの破損や変形の原因になるだけでなく、歯や顎に予期せぬ負担をかける可能性があります。装着時は必ず指を使い、最後の仕上げにチューイーを使用しましょう。
新しいアライナー装着時の「痛み」や「違和感」への対処法

新しいアライナーに交換した直後(特に最初の2〜3日)は、締め付けられるような痛みや圧迫感、違和感が生じることがあります。これは歯を次のステップへ動かすために、新しいマウスピースが歯に矯正力をかけていることで起こる正常な反応であるため、過度に心配する必要はありません。
痛みや違和感は2〜3日で徐々に慣れて和らぐため、通常通り過ごしても問題はありませんが、痛みが気になる場合には以下の対処法を試してみてください。
硬いものはなるべく避ける
アライナー交換後、痛みが強い期間はお粥やうどん、ヨーグルトなど、噛む力を入れなくても食べられる柔らかい食事を心がけると良いでしょう。この時、無理に通常の食事を続けたり、硬い食べ物を噛んだりすると、痛みの悪化や長期化を招く場合があります。
我慢できないほどの痛みがあったら
痛みが我慢できない場合には、市販の鎮痛剤を服用するのも一つの方法です。ただし、薬を飲む前にまずはアライナーが正しく装着できているかをご確認ください。(アセトアミノフェン系の鎮痛剤をおすすめいたします。)
痛みが長引く場合
3〜4日以上経っても強い痛みが続く、あるいは特定の歯だけが激しく痛むといった場合は、何か問題が起きている可能性も考えられます。こういった場合には痛みを我慢せず、歯ならびみまもりアプリよりご連絡ください。
こんな時どうする?トラブルシューティング

Q.新しいアライナーを紛失・破損してしまいました。どうしたらいいでしょうか?

A.一旦ひとつ前のアライナーを装着して後戻りを防ぎ、なるべく早めに破損や紛失の旨をお知らせください。自己判断で装着を中断したり、一つ先のステージに進んだりするのは控えましょう。まずは慌てずに、チャットを通じてサポートチームへご連絡をお願いいたします。

Q.アライナーを外す時にアタッチメントが取れてしまいました。すぐに来院が必要ですか?

A.外れたことに気がついたら、アプリ内のチャットよりご相談ください。早期に再装着が必要か、次の予約日まで様子を見ていいのかをサポートチームよりお伝えいたします。
取れてしまったアタッチメントは、保管せずご自宅で廃棄して問題ありません。

Q.新しいアライナーがフィットしません、そのまま装着しても大丈夫ですか?

A.他の歯がしっかりとフィットしている状態であればひとまず装着し、サポートチームへご相談ください。
新しいアライナーに交換した直後の多少の浮きは、チューイーを使用することで改善されることがほとんどですが、「部分的に浮きが大きくパカパカしている」などの場合には、歯が計画通りに動いていない可能性があります。
ただ、使用している枚数(アライナー番号)によっては、一部浮いている状態で使用を継続しても問題ないケースもありますので、状況や治療計画を確認して指示をお伝えします。
アライナー交換はゴールへの一歩

マウスピース型矯正は手軽そうなイメージもありますが、アライナーの装着時間や交換頻度の制限があることから、自己管理が難しい方にとっては非常に難しい治療です。
新しいアライナーへの交換は、治療が順調に進んでいる証でもあり、患者さまご自身の日々の努力があってこそ。
これからもアライナーをしっかりと装着し、歯ならびみまもりアプリを活用しながら治療のゴールまで一歩ずつ着実に進んでいきましょう!
※本記事は一般的な情報提供を目的としており、特定の治療内容や効果を保証するものではありません。具体的な治療に関するご相談は、必ず専門の医療機関を受診し、担当の歯科医師にご確認ください。
監修
SMILE ACCESS 矯正歯科 渋谷/吉祥寺 院長 吉住 淳先生 (日本矯正歯科学会認定医・invisalign社公式スピーカー)