こんにちは、SMILE ACCESS矯正歯科 歯科衛生士のTです。今回は、矯正治療を始めた方向けの食事についてのお話です!
矯正治療中は、これまでの食事や飲み物の習慣を少し見直す必要があります。これは、食べ物や飲み物の選択を間違えてしまうと、矯正装置の破損や虫歯といったトラブルを引き起こし、最悪の場合治療期間が長引いてしまうことがあるためです。
本記事では、マウスピース型矯正とワイヤー矯正、すべての患者さんに共通して注意いただきたい食習慣について、具体的な食べ物・飲み物を例に挙げ、対策などを分かりやすく解説いたします。
なぜ食習慣に注意が必要?

装置の破損や変形を防ぐため
主な理由は、矯正装置(ワイヤー、ブラケット、アライナーなど)の破損や変形を防ぐためです。矯正装置はシンプルに見えますが、実は適切な力を歯にかけられるよう精密に設計されています。
この装置が部分的にでも破損すると、歯に適切な矯正力がかからなくなることで、計画通りに歯が動かなくなる可能性があります。その結果、緊急で度々来院が必要になる、歯に力がかからない状態が続くといったことが原因となり、治療期間が長引くリスクがあるのです。
虫歯や歯周病を予防するため
矯正装置の周囲は食べカスやプラーク(歯垢)が溜まりやすい環境であるため、治療中は十分なセルフケアが重要になります。せっかく歯並び・噛み合わせが綺麗になっても、いざ矯正治療が終わり装置を外したら虫歯だらけ…このようなケースも決して珍しくはありません。
また、矯正装置の周りにプラークが停滞し続けると、次第に歯ぐきの炎症が起こり歯周病が進行していきます。歯ぐきの炎症は歯周病の初期段階のため、この時には適切なブラッシング等で改善することができますが、そのまま進行すると矯正中の歯の移動を妨げたり、歯周病治療を優先させるため矯正治療を中断せざるを得なくなったりすることも。
健康な歯と歯ぐきを維持するためにも、矯正治療中は食習慣への意識が非常に重要です。
矯正中に避けたい食べ物・飲み物とポイント
1. 硬い食べ物(ブラケットが外れる・ワイヤーが変形する)
矯正装置に過度な力が加わると、装置の脱離・破損の原因に繋がります。また、硬い食べ物でなくても、ハンバーガーのようにかぶり付いたり、骨つき肉などを噛みちぎるようにして食べたりすると、ワイヤーが曲がったりブラケットが外れたりする可能性があるため注意が必要です。

例: お煎餅、ナッツ類(ピーナッツ、アーモンドなど)、氷、フランスパン、ジャーキー、弾力のある塊肉、りんごなど
小さく切る▶︎硬めの食べ物や食材は、一口サイズに切ってから食べましょう。
加熱して柔らかくする▶︎にんじんやりんごなどは生でかじるのではなく、小さく切るか煮る、蒸すなどして柔らかくしてから食べましょう。
2. 繊維質の多い食べ物(矯正装置に絡まる)
繊維性の食べ物は装置に絡みやすく、歯磨きでも取り除きにくいことがあります。十分にセルフケアができている場合には心配は不要ですが、外食時は装置周囲に食べ物が絡まり不衛生な状態になりやすいため、出先でも食後のケアが重要です。

例: えのき、ねぎ、ニラなど
繊維を断つように食べ物を細かく刻む▶︎ブラケットやワイヤーに絡まりにくくなります。食後は必ず丁寧に歯磨きを行い、タフトブラシやデンタルフロスで繊維を取り除きましょう。
3. 粘着性の高い食べ物(矯正装置に付着する・ブラケットが外れる)
粘着性の高い食べ物は矯正装置(ブラケット)に付きやすく、また取り除きにくいだけでなく、無理に除去しようとすると装置も一緒に外れてしまうことも。

例: お餅、キャラメル、チューイングガム、ハイチュウなどのソフトキャンディー、ヌガー、ドライフルーツなど
基本的には避ける▶︎特にワイヤー矯正中は、これらの食べ物はできる限り控えるようにしてください。キャラメルやお餅は装置に絡むと取るのが非常に大変で、最悪装置が外れてしまうため注意が必要です。お正月はクリニックも休診日であることが多いことから、ワイヤー矯正中は餅類を我慢しましょう。
4. 色素の濃い飲み物・食べ物(ブラケットやアタッチメントの着色)
アライナー本体やアタッチメント、ワイヤー矯正でブラケットに引っ掛けている編み状のゴム(パワーチェーン)は、水分を吸収しやすいといった特性があります。お茶など糖分が入っていない分には虫歯のリスクはありませんが、着色による見た目の変化が気になる方は注意が必要です。

例: コーヒー、紅茶、赤ワイン、 カレーライス、ミートソース、ケチャップ、醤油、ブドウやベリー類
飲食時は装置を外す(マウスピース型矯正)▶︎マウスピースへの着色が気になる場合には、お茶や無糖のブラックコーヒーでも一度外してから飲み、装着前にお口を濯ぐことで着色のリスクを軽減できます。
ストローを使う▶︎ワイヤー矯正で使用するゴムは、上記の飲食物を摂取するとどうしても着色がつきやすくなります。効果は十分ではありませんが、着色の強い飲み物を飲む際、ストローを使って特に目立ちやすい前歯に直接触れないようにするなどの工夫は可能です。
矯正中に積極的に摂りたい食べ物

柔らかい食べ物
矯正装置をつけたばかりの時や、装置を調整した直後は特に歯が敏感になります。おかゆ、スープ、豆腐、ヨーグルト、プリン、茶碗蒸し、リゾット、うどんなど、柔らかくて噛む必要のないものを選びましょう。無理に硬いものを食べると、痛みが出ることがあります。
細かく切ったもの
特に、矯正装置に慣れていない間は一口サイズにカットしてから食べるといいでしょう。柔らかめのお肉や魚、野菜など、歯で噛みちぎる必要のない食べ物がおすすめです。
栄養バランスの良いもの
痛みや違和感があるからと言って、同じものばかり食べていると栄養が偏ってしまいます。栄養バランスを崩さないよう、不足しがちなビタミンやミネラルは野菜を加熱し柔らかくする、固くない苺やキウイなどのフルーツを摂取するのもおすすめです。
痛みがある方におすすめ!手軽にコンビニで買える柔らかい食べ物

外出先、または忙しいお仕事の合間で食事をしなければならないときでも、コンビニには矯正中の方でも手軽で安心して食べられるものがたくさんあります。
サンドイッチ・蒸しパン
具材が柔らかいサンドイッチ(卵、ツナなど)や蒸しパンは、一口大に千切れるため矯正中でも食べやすい主食です。
ヨーグルト・ゼリー・プリン
噛む必要がなく、マンネリになりやすい食事のアクセントにも。
豆腐・茶碗蒸し
豆腐や茶碗蒸しは非常に柔らかく、タンパク質も摂取できるのでおすすめです。
野菜ジュース・スムージー
噛むのが難しいときは、野菜ジュースやスムージーで手軽に栄養を補給しましょう。ただし、糖分が多いものもあるため注意が必要です。
矯正中の食事をより快適にするためのヒント
外出先でも歯磨きセットを
仕事などで外出先での食事が多くなる場合、携帯用の歯ブラシやタフトブラシ、デンタルフロスなどを持ち歩くようにしましょう。食後にすぐに歯磨きをすることで、虫歯や着色のリスクを軽減できます。歯磨きがどうしても難しい時のため、携帯用のマウスウォッシュを常備するのもおすすめです。
噛み方を工夫する
無理に前歯で噛み切ろうとせず、奥歯でじっくり噛むように意識しましょう。一口を小さくし、奥歯で噛むようにするだけでも装置や歯にかかる負担が軽減されます。
飲み物を水に変える
食事中や喉が渇いたときは、ジュースやコーヒーではなく水を飲む習慣をつけましょう。これにより、糖分や色素の沈着を抑えることができます。
食習慣の工夫は理想の歯並びへの近道

矯正治療を成功させるためには、担当医の指示を守るだけでなく、日々の食習慣にも気を配ることが大切です。
治療を始めたばかりの時は、矯正装置による痛みや違和感で大変な状態の中、食習慣まで気を回すのは難しい…と戸惑う方も多いかもしれませんが、慣れてしまえば適切な食事管理も矯正治療中のモチベーションへと繋がります。
今回ご紹介したような注意点に気を付けながら、ちょっとした工夫を取り入れつつ矯正中も食事を楽しみましょう!
※本記事は一般的な情報提供を目的としており、特定の治療内容や効果を保証するものではありません。具体的な治療に関するご相談は、必ず専門の医療機関を受診し、担当の歯科医師にご確認ください。
監修
SMILE ACCESS 矯正歯科 渋谷/吉祥寺 院長 吉住 淳先生 (日本矯正歯科学会認定医・invisalign社公式スピーカー)