こんにちは。スマイルアクセス矯正歯科の院長、吉住 淳です。
最近、初診相談でこのようなご質問をいただくことが増えました。
「口ゴボ改善にはやっぱりワイヤー矯正が良いですか?」
結論から申し上げますと、「口ゴボ治療=ワイヤー矯正一択」というわけではないです。
しかし、「前歯をしっかり後方に引っ込める必要があるケース」において、ワイヤー矯正が非常に有効な選択肢であることは事実です。
今日は、なぜ口ゴボ治療でワイヤー矯正が推奨されることが多いのか、そしてマウスピース矯正(インビザライン)で治せるケースとの違いはどこにあるのか。
これまでの臨床経験も交えて、正しい知識をお伝えしたいと思います。
なぜ「口ゴボ」改善にワイヤー矯正が推奨されることが多いのか?
口ゴボを改善し、美しいEライン(鼻先と顎先を結んだ線)を整えるためには、前歯を物理的に「後ろへ移動させる」必要があります 。
このとき重要になるのが、以下の2点です。
①歯を動かすための「スペース」の確保
口元を大きく引っ込めたい場合、歯を並べる土台(ベンチ)が満席の状態では、歯を後ろに下げる隙間がありません 。
そのため、一般的には小臼歯(前から4番目の歯)などを抜歯してスペースを作り、その空間を利用して前歯を後退させます。
以下の動画は、抜歯症例での歯の動きを示したものです。抜歯でできたスペースへと前歯が移動していく様子がわかります。
30代女性|ワイヤー矯正とマウスピース型矯正装置の併用(抜歯あり)治療期間:2年7か月/費用:820,800円(税込)※自由診療(保険適用外)※リスク:歯根吸収・歯肉退縮などが生じることがあります。
②「歯の根っこ」からのコントロール(トルクコントロール)
ここが非常に重要なポイントです。
前歯を下げるとき、ただ内側に傾けるだけでは、歯の頭部分だけが倒れてしまい、歯の根っこ(歯根)の位置が変わらないことがあります。
これでは、口元の突出感があまり改善されなかったり、後戻りの原因になったりします。
口ゴボ改善には、「歯の根っこ」から角度をコントロールし、平行に移動させるような動き(トルクコントロール)が必要となるわけです。
ここに、ワイヤー矯正とマウスピース矯正の「力の伝え方(押す vs 引っ張る)」の違いが大きく関係します。
ワイヤー矯正(引っ張る動きが得意):
ワイヤー矯正は、歯を「引っ張る」動きを得意としています。

歯に固定されたブラケットとワイヤーにより、歯の頭だけでなく「根っこ」の向きまで三次元的にコントロールする力が働きます。

そのため、前歯を大きく下げても内側に倒れ込みすぎず、きれいな角度を保ったまま移動させやすいのが最大の特徴です。
マウスピース矯正(押す動きが得意):
マウスピースは、アライナーが歯を覆い、物理的に「押す」ことで歯を移動させます。

「押す」力は強力ですが、構造上、歯の頭(歯冠)が先に動き、根っこが取り残される「傾斜移動」になりやすい傾向があります。
抜歯をしてスペースを埋めるような大きな移動が必要な場面では、ワイヤーに比べて根っこのコントロールに高度な設計が必要です。
ただし、マウスピース矯正(インビザライン)でも対応できるケースは増えています

最近では、インビザライン(マウスピース矯正)の技術の進化により口ゴボの改善が可能なケースが増えてきました。
特に、以下のような方であれば、抜歯を含めたインビザライン治療で、十分な変化が期待できます。
・前歯が前傾することで突出していてで、歯ぐきごとの突出は少ない
・骨格的な不正がそこまでおおきくない症例
このようなケースでは、インビザラインでも見た目・機能の両面で満足のいく仕上がりを目指せる可能性があります。
一方で、次のようなケースでは「ワイヤー矯正」が依然として有力な選択肢です。
・前歯を根っこごと大きく引っ込める必要があるケース
・歯の根元の角度まで細かく調整する必要があるケース
・唇のふくらみや“口を閉じにくい感覚”をしっかり解消すべきケース
口ゴボの原因には「歯の傾き」だけでなく、骨格のバランスや歯ぐきの位置なども関係します。
こうした繊細な問題を解決するには、三次元的に歯の位置や角度をコントロールできるワイヤー矯正が適していることもあります。
日本矯正歯科学会の「アライナー型矯正装置(マウスピース矯正)による治療指針」においても、骨格的な問題がある症例や歯根を大きく動かさなければいけない症例へのマウスピース矯正の適用には慎重な判断が求められる旨が示されています。
| ワイヤー矯正 | マウスピース矯正(インビザライン) | |
|---|---|---|
| 歯の動かし方 | ワイヤーとブラケットで、歯を立体的に細かくコントロール | アライナーの形状に沿って、段階的に歯を動かす |
| 動かせる範囲・精度 | 歯の根元の角度や奥歯の位置まで調整可能。難しい動きにも対応しやすい | 回転や傾き、根の位置など精密な動きは設計の工夫や補助装置が必要 |
| 適している症例 | 抜歯が必要な口ゴボ/前歯をしっかり後ろに下げたい方/骨格的な影響が強い場合 | 軽度〜中等度の口ゴボ/前歯の突出が軽めの方/非抜歯や軽度な抜歯症例にも対応可能 |
口ゴボがこんなに変わった!ワイヤー矯正・コンビネーション治療の症例紹介
当院では、ワイヤー矯正・マウスピース矯正の両方を扱っており、一人ひとりに合った適切な治療法をご提案しています。
最近、増えているのが「コンビネーション治療」の症例です。
治療の前半にワイヤーで大きく精密に動かし、後半はインビザラインで仕上げていくスタイルです。
「口ゴボをしっかり引っ込めたいけど、ずっとワイヤーは抵抗がある」という方におすすめです。
以下では、実際に「ワイヤー矯正単独」や「コンビネーション治療」で治療された患者さまの症例を紹介しています。
ワイヤー矯正単独の症例
20代女性|叢生と口元の突出感を抜歯・ワイヤー矯正で改善(2年5か月・842,400円)
主なリスク・副作用:疼痛、歯根吸収、歯肉退縮、後戻りの可能性 ※自由診療(保険適用外)
前歯の出っ張りと口元の突出感を気にされてご相談いただきました。前歯の前方傾斜が強く歯槽性の上下顎前突で、治療の途中で挙式もあったためブライダルに向けての治療も行いました。
抜歯でスペースを確保し、ワイヤー装置で前歯の傾きをコントロールしながら、歯列全体を整えました。
20代女性|口ゴボを抜歯+ワイヤー矯正で治療(2年5か月・825,000円)
主なリスク・副作用:疼痛、歯根吸収、歯肉退縮、後戻りの可能性 ※自由診療(保険適用外)
口元のふくらみを気にされてご相談いただきました。
診断では、叢生を伴う歯性の上顎前突と判断。前歯の傾斜と歯列の突出感を改善するため、抜歯を行い、ワイヤー矯正で奥歯の位置をコントロールしながら全体のバランスを整えました。
2年5か月の治療で、Eラインに自然に収まる横顔に仕上がりました。
30代女性|欠損歯・叢生を伴う出っ歯を抜歯+ワイヤー矯正で改善(3年9か月・820,800円)
主なリスク・副作用:疼痛、歯根吸収、歯肉退縮、後戻りの可能性 ※自由診療(保険適用外)
前歯の出っ張りを気にされて来院されました。診断の結果、欠損歯と叢生を伴う骨格性の上顎前突と判明。
咬合や口元のバランスに影響を与える複合的な要因を考慮し、抜歯とワイヤー矯正による丁寧な治療を進めました。歯列が整うとともに、前歯の突出感も改善され、口元の緊張がやわらいだ印象に。
コンビネーション治療の症例
30代女性|出っ歯(骨格性上顎前突)を抜歯・ワイヤー+インビザラインで治療(2年7か月・820,800円)
主なリスク・副作用:疼痛、歯根吸収、歯肉退縮、後戻りの可能性 ※自由診療(保険適用外)
前歯で噛めないことと、口元の突出感を気にされて来院されました。開咬と叢生を伴う骨格性の上顎前突で、精密なコントロールが求められる難症例でした。
抜歯でスペースを確保し、ワイヤーとマウスピースを併用しながら前歯の角度やかみ合わせを調整。複合的な症例ほど、柔軟な治療設計が重要になります。
30代男性|口ゴボを非抜歯・ワイヤー+インビザラインで治療(1年7か月・825,000円)
主なリスク・副作用:疼痛、歯根吸収、歯肉退縮、後戻りの可能性 ※自由診療(保険適用外)
口元のふくらみと前歯のガタつきを気にされて来院されました。
叢生を伴う歯槽性の上下顎前突と診断し、非抜歯での改善を計画。歯の傾きとアーチの広がりに注目し、ワイヤーとマウスピースを組み合わせて前方への突出感を丁寧にコントロールしました。
骨格に大きなずれがない口ゴボの症例では、歯の角度と配置の調整で印象を大きく変えることができます。
20代女性|口ゴボを非抜歯・ワイヤー+インビザラインで治療(1年9か月・820,800円)
主なリスク・副作用:疼痛、歯根吸収、歯肉退縮、後戻りの可能性 ※自由診療(保険適用外)
口元のふくらみと前歯の出方を気にされてご相談いただきました。歯性の上顎前突と診断し、骨格の影響が少ないことから非抜歯で対応可能と判断。
前歯の傾斜やアーチ全体の形を細かく調整するため、ワイヤーとマウスピースを併用しました。1年9か月の治療で歯列が整い、横顔のラインにも自然な変化が表れました。
口ゴボをワイヤー矯正で治す場合の費用相場
ワイヤー矯正による口ゴボ治療の費用相場は、80万〜110万円(税込)程度が一般的です。
当院では、総額88万円でワイヤー矯正治療をご提供しています。
スマイルアクセス矯正歯科のワイヤー料金
| 治療法 | 費用(税込) |
|---|---|
| 部分矯正 | ¥165,000〜495,000 |
| 全体矯正(メタルブラケット) | ¥880,000 |
| 全体矯正(クリアブラケット) | ¥935,000 |
スマイルアクセス矯正では、白いワイヤーや透明のブラケットなど目立ちにくい装置もご用意しています。
「目立たないなら始めやすい」と、見た目を気にされていた方にも好評です。
治療前に「装置代・調整料・保定費用などすべて込み」の総額費用を明示しており、通院ごとに追加料金がかかることはありません。
また、最大120回までの分割払いにも対応しており、たとえば総額88万円の治療なら月々約9,000円からスタート可能です(実質年率4.9%/初回審査あり)。
※審査状況により、月額は変動する場合があります。
詳細は料金ページへ ▶︎ https://smile-access.jp/price
【矯正医が回答】ワイヤー矯正による口ゴボ治療でよくあるご質問(FAQ)

Q. 口ゴボは、やっぱり抜歯しないと治らないのでしょうか?
A. すべての口ゴボに抜歯が必要なわけではありません。
私たち矯正歯科医もなるべく歯を抜きたくはありません。
ただ、前歯の突出が大きい場合には、抜歯が必要なケースが多いのも事実です。
口ゴボの原因には、歯並び・骨格・唇や筋肉のバランスなどさまざまな要素が関係しています。
中でも
・前歯が前方に傾いている
・歯の並ぶスペースが足りない
これらのタイプの口ゴボだと抜歯によってスペースを作り、前歯を後方に下げることが自然な口元に仕上げるうえで重要となります。
>>口ゴボ矯正|一番いい治し方とは?抜歯なしも可能?Eライン基準の落とし穴を矯正医が解説
Q. 非抜歯で治すことは本当に難しいんですか?
A. 難しいというよりも、「無理に非抜歯にすると逆効果になる」ケースがあるというのが正確な答えです。
無理に非抜歯で矯正する場合、歯がお口のスペースに収まらないことがあります。
歯は前に出るしかなくなり、かえって口元がもっこりしてしまうことがあります。
「逆に口ゴボっぽくなった…」というリスクがあります。
当院では、非抜歯・抜歯の両方を比較し、シミュレーションを使って見た目や噛み合わせのバランスを可視化したうえで、納得いただける選択を一緒に考えていきます。

Q. 抜歯すると老けたり、ほうれい線が目立ったりしませんか?
A. 抜歯=老け顔になる、というのは一部の誤解です。
むしろ、口元の突出感が整い、元の骨格や筋肉に合ったバランスとなり、すっきりと若々しい印象になる方も多くいらっしゃいます。
もちろん、歯を引っ込めすぎると唇のハリがなくなったり、不自然な仕上がりになる可能性もあります。
当院では横顔やスマイル時のバランスまで細かく診断して設計しています。
Q. ワイヤー矯正は痛みが強いと聞いて心配です。
A. 矯正中の痛みには個人差がありますが、装置の進化によって痛みはかなり軽減されています。
とくに当院では、痛みや違和感が少なくなるような力加減や調整の工夫をしていますので、必要以上に不安にならなくて大丈夫です。
Q. ワイヤー矯正は見た目が気になるのですが…
A. ご希望に応じて、白や透明のブラケット・ワイヤーを使った「目立ちにくい矯正」も可能です。

マスクを外す機会が増えてきた今でも、「思ったより気にならなかった」とのお声をよくいただいています。
Q. 自分がワイヤー向きか、マウスピースでもいけるか知るにはどうすれば?
A. 精密検査と診断を受けるのを推奨します。

お一人おひとりの歯並び・骨格・ご希望によってどの装置が適切かは異なってくるからです。
当院では、セファログラム(頭部X線規格写真)や3Dスキャナーでの立体的な分析をもとに、ワイヤー・マウスピース・その併用まで含めて、最適な治療法をご提案しています。
まとめ|矯正治療で本当に大切なのは「診断」と「治療計画」
「口ゴボを治すならワイヤー矯正しかない」
「マウスピースでは横顔は変わらない」
そう決めつける必要はありません。
口元の突出感を解消し、美しいEラインを作るために最も重要なのは、装置の種類ではないです。
それよりも「前歯をあと何ミリ下げれば、口元のバランスが整うのか」をみる1ミリ単位の「診断」です。
口元の印象を変えることは、「一生モノの投資」と言っても良いかと思います。
「せっかく矯正したのに口元が下がらなかった」
「無理に非抜歯にして後悔した」
そんな思いをしないためにも、まずはご自身の「口ゴボの原因(骨格なのか、歯の角度なのか)」を知ることから始めませんか?
当院では、セファログラムやCTを用いた精密な顔貌分析に基づき、「ワイヤー」「マウスピース」あるいは「コンビネーション」の中から、適切な方法をフラットな目線でご提案します。

ぜひお気軽にご相談ください。
無料で矯正相談実施中スマイルアクセス矯正歯科では、来院・オンラインどちらのカウンセリングも無料でご案内しています。
「こんなこと聞いて大丈夫かな?」と思うようなことも、どうぞ気兼ねなくご相談ください。
矯正にまつわる不安や疑問には、矯正医が丁寧にお答えします。
もちろん、カウンセリングを受けたからといって、すぐに治療を始める必要はありません。
ご説明を聞いた上で、じっくりご検討いただければと思います。
相談だけOK。無理な勧誘一切なし

































